自分なりにボールを見てきて脱皮不全の原因と対策についてまとめてみました。
まずは結果から
脱皮にかかわってくる要素は大きく分けて4つ
1ご飯のあげる時期 2湿度(浸かれる水入れ、霧吹きなど) 3ご飯の状態 4温度
大きく分けてこの4つの要素がお互いにかかわっており、
この中で1と3が占める要素が大きいように思います。
1と3を完璧にするだけで上手く脱げることが多いです。
ただ個人的に綺麗な一本脱ぎを目指すならご飯のタイミングはめちゃくちゃ重要だと考えます。
湿度(水気)は脱皮に必要ないという意見も聞きますが、個人的には条件を満たせば低くても問題無いが、あると綺麗に脱ぐ確率が上がるという認識です。
まず説明をする前に脱皮というのはどういうことなのかと言うと
古いウロコの層を新しい層に入れ替えることで
大きく分けて
①脱皮最初期から一番白くなるまでの間が新しい鱗を作る段階
②真っ白から脱ぐまでの段階が古い層を浮かせる段階に分かれます。
①脱皮する約2~3週間前から徴候が見られ個体差はありますが動きが鈍くなって徐々に白く霞んでいきます
↓
↓約1~2週間かけて徐々に白くなっていき
↓
目まで真っ白になる
↓
↓約5日前後この間、鱗が浮いたりする変化もみられる
↓
②直前白さが薄れてきて普段の色に近づく
↓
脱皮
脱皮したての皮を触るとやや湿っています
これは古い皮と新しい皮の間で分泌液を出して古い皮と新しい皮を剥離させることによって脱皮します。
1
なぜ1のご飯をあげるタイミングが重要なのかと言うと
ご飯を巻いてしめつける行為で皮膚に力がかかると新しい皮ができてない状態なのに古い皮と新しい皮の間が剥がれてしまい傷となってしまうことがあります。
ただこれはその個体のご飯を締め付ける強さによって変わるので一概には言えません
特に締める力が強くなるので脱皮前の活マウス、活ラットは要注意です。
また傷とならずも本来なら綺麗につながっている脱皮殻を
締め付けた力で色々な部分で脱皮皮に亀裂が入ってしまう
そして亀裂から分泌液が乾燥
乾いたところがくっついてしまい上手く脱げずにバラバラに脱げて
一部が張り付いてしまう
これが脱皮不全(1本脱ぎできない)の1番の原因だと私は感じてます。
余談ですが大きな餌をあげたりすると脱皮が早まったりすることがあります。
傷ができてしまっても次の脱皮の頃には治るので問題はないとも言えますが、できれば控える方がいいかと思います。
特に準備期間のうち最低でも目まで真っ白の時から逆算して10~5日前までは(脱皮最初期から言うと約1.5週)
ご飯を控える(特に活餌)
出来れば準備期間に入りたての頃は大きなご飯もあげない方が良いかと思います。
(ただ準備期間に入り始め(脱皮開始の約3週間前)の時点からご飯をあげなかったりすると脱皮が遅くもなるので脱皮初期の頃はあげても良いかもと思います。(最初期を見極められるなら))
(一応私が見た感じ脱皮の兆候は3週間前から現れ、ご飯をあげると早まる傾向にあり約2~3週間で脱ぐと言う認識です。)
脱皮の見分け方はパイボール系はわかりやすく白の部分が赤くなります。
黒系のGHIなどは全体的に白くくすみまるでゴーストのようになります。
個人的にはどのモルフでもお腹側を見るとわかりやすいと感じます。
背中側の体色は日によって変わることがありますが
お腹側の体色は脱皮前以外ほとんど変わらないように感じます。
だいたいのモルフはお腹の白色がうっすらとサーモンピンクへと変化し始めるのでそれも参考になるかと思います。(低温やけどの場合も赤くなるので脱皮の兆候と間違えないように注意してください)
2
次に湿度または水がなぜ重要なのかと言うと
湿度が低すぎると脱いでいる間に分泌液が乾いてしまったり
何らかの原因で脱皮皮に亀裂が入ってそこから分泌液が乾いた場合に
うまく脱げなくなることがあります。
その場合湿度が高いまたは水がある場合はうまく脱げることも多いので
脱皮の直前または最中に湿度を上げる
またはケージ内に霧吹きをするなど水分を与えることによってうまく脱げることもあります。
また霧吹きをする場合は壁面にするのが無難で
生体に直接かける場合は管理温度や通気を考慮して気化熱で温度が下がり過ぎないよう注意が必要です。
(あまり生体にかけても意外と中に浸透しないので、壁などにこすっているときに分泌液の補助としてぐらいの役割です)
脱皮の最中や途中、直後は脱皮皮ははがれやすいですが、かなり体力を使っているので
温浴をする場合は
できれば脱皮の最中や脱皮した日に無理にするのではなく
2日後とかに温浴とかをして脱皮の手伝いをしてあげる方が蛇の負担が少ないように感じます。
3ご飯の状態
冷凍庫に長期保存していたご飯などは水分が抜けてしまっている場合もあるので
その子が食べるなら温水に濡らして、解凍して食べさせた方が水分補給もできて
脱皮する際の分泌液を出すのにも有利に働きます。
また活を普段あげている場合はこの時は締めてあげる
または蛇がご飯を巻いた時あまり力を使うことのないよう、小さなものに変えるなど色々と工夫の余地はあります。
4温度
脱皮不全との直接の関わりはありませんが基本的に蛇は変温動物で温度により
代謝が著しく変わるので温度帯が低い場合は脱皮に要する時間が長くなります。
最後に脱皮不全を起こしてしまった場合は
焦らず30℃程度のぬるま湯に30分程度つけてふやかしてあげてゆっくり優しく
頭から尻尾の方に向かって
指で擦って脱皮皮をはがしてあげると良いかと思います。
(頭はのてっぺんはなかなか水に浸けてくれないので頭に残っている場合は水を掬ってびっくりしない程度に何度もかけてあげるといいかと思います。少し剥がれているなら剥がれているところと新しい鱗の間に水が入るようにするとなお○)
脱皮不全は特定の場所や条件(目、尻尾の先端、総排泄口、体に対してドーナツのようにぐるりと1周)
等で残っていない限り(背中や頭に少し残っている程度)
次の脱皮で取れることが多いです。
脱皮不全にならない環境を作ってあげることが大切ですが
仮になったとしても適切な対処ができれば決して怖い物ではありませんので
なってしまった場合はアシストが必要か見極め
必要な場合は負担がかからないよううまく脱がせる手伝いをしてあげた方が良いかと思います。
あと温浴に関しては個人的な主観だと
脱皮不全の時以外にも蛇の代謝などにいい刺激を与えるように感じてます。
まとめとしては
1脱皮前の兆候を見極めご飯をあげる(1本脱ぎするには脱皮皮の亀裂は大敵)
2湿度ないし脱皮前の霧吹き等による水の存在(これで結構リカバリーできます。)
3ご飯の水分量または蛇の水分補給(ご飯からの水分補給も大事)
4温度(温度が低いと代謝が落ち脱皮準備期間が長くなる(最低温度が23℃以下))(♂をクーリングし始めても脱皮の兆候が見えたらいったん温度を上げて、脱皮を完全に終えてからの方が良いかも?)
といった感じです。
これらを全て完璧にしていても蛇のコンディションや個体の特性によって上手く脱げないこともあります。
(写真のGHIデザゴはファーストシェッドと2回目3回目の脱皮の時は脱皮皮がかなり分厚く、水入れに入らない子なので、脱皮の際濡らしたりするなどの補助がないと脱皮は厳しかったです。それ以降はきれいに脱いでくれてます。
逆に脱皮殻が薄く柔らかい子は脱皮前にご飯をバクバク食べてもきれいに脱いでくれる子もいてます。)
最後にうちの大体の環境ですが(色々と環境を変えて最適な環境を探しているため)
ホットスポット30~32℃ 空間温度23~25℃ 湿度30~45%です。
現段階で自分が感じていることなのでこの先さらにアップデートするかもしれませんが
自分の手応え的にはこんな感じです。
人それぞれの育て方や環境によっても違いますし、個体差によっても大きく左右しますが
ご自身の環境との違いを踏まえた上で
少しでも皆様の参考になればと思います。
それでは楽しいボールライフを!
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